感覚過敏とは?
感覚過敏は、主には「聴覚・視覚・触覚・嗅覚・味覚」の五感の一部、または複数からの刺激を
過度に感じることで、苦痛や不快感が生じている状態を指します。
症状や程度は人によって様々ですが、感覚過敏の人の多くが日常生活においてストレスを感じている
と言われています。
目や耳や鼻などの感覚器に先天的な異常がある場合など、幼少期から感覚過敏を自覚している人もいます。
しかし、後述するように、不安やストレスが原因で、大人になってから症状に悩む人もいます。
こうした「大人の感覚過敏」では、私生活のみならず、仕事などの社会生活においても悩みを抱える人が
少なくありません。
感覚過敏の種類別の症状
感覚過敏の具体的な症状として、種類別に以下のものを挙げることができます。
■聴覚過敏の症状
・小さな物音が気になる(例:時計や冷蔵庫の作動音)
・特定の種類の物音が耳に突き刺さるように感じて苦痛を覚える(例:ベルや掃除機など)
・音の遠近感をうまく把握できない
・人混みなどの騒がしい場所だとすぐに疲れる
■視覚過敏の症状
・蛍光灯のちらつきやわずかな明かりが気になる
・ちょっとした陽射しが目に突き刺さるほど眩しく感じる
・モニターや画面を見ているとすぐに疲れる
■触覚過敏の症状
・人に触れられることが苦痛で回避する
・手足といった敏感な部位の着衣を嫌がる
・特定の素材の衣服でないと身につけたがらない
■嗅覚過敏の症状
・香水や柔軟剤の匂いが少ししただけで気分が悪くなる
・香料の効いた食べ物の匂いが鼻腔に刺さるように感じる
・人混みの熱気で具合が悪くなる
■味覚過敏の症状
・食べ物の味が著しく濃く感じられる
・特定の味に対して過度な不快感を示す
いずれの症状も、ある程度は「感覚過敏でない人」にも見られるものです。
感覚過敏かどうかは、症状を感じる頻度にもよります。
専門家でないと判断が付きづらいため、症状に悩んでいる方は、まずは専門医の診断を仰ぐようにしましょう。
感覚過敏の原因
感覚過敏には、主に3つの原因が挙げられます。
①身体機能の異常や疾患
②発達障害に付随する感覚過敏
③不安やストレス
まず考えられるのは、耳や目などの受容器に関連した身体疾患があるケースです。
聴覚であれば、突発性難聴やメニエール病などに伴って、聴覚過敏が生じる場合があります。
また、てんかんや脳卒中など、脳の神経系に障害が起こることで感覚過敏が誘発されることもあります。
2つ目として、先天性の発達障害に付随して、感覚過敏の症状が現れる場合があります。
発達障害に見られる脳の機能の偏りが、感覚機能に作用することがあるのです。
実際、発達障害の診断基準を示す『DSM-5』の中では、ASD(自閉症スペクトラム障害)の症状として、
感覚刺激に対する過敏さ(または鈍感さ)が挙げられています。
ASDでは特に、聴覚過敏を併せ持つ人が少なくありません。
3つ目に、「不安やストレス」が原因となり、ホルモンバランスが乱れて感覚過敏を起こすケースも
見られます。ストレスが原因の場合、学生の頃は異常がなかったのに、大人になって働き始めてから
感覚過敏になったという人が多いようです。
感覚過敏を疑う人が受診すべき診療科
感覚過敏を疑っている方は、まずは「症状のある感覚器に対応した診療科」を受診しましょう。
例えば、視覚過敏があるなら眼科を、聴覚過敏や嗅覚過敏があるなら耳鼻科を受診して、
特定の病気・障害がないかどうか検査を受ける必要があります。
診断が下りた場合は、適切に治療を受けていきましょう。
そこで異常が見られない場合は、「精神科」または「心療内科」を受診してみてください。
発達障害やストレスが原因で感覚過敏が発生しているときは、精神科や心療内科で原因がわかることが
あるからです。
感覚過敏の対処法
ここからは具体的に、感覚過敏の人ができる対処法を、種類別にまとめて紹介します。
どの感覚過敏にも共通する対処法として、以下の3つを挙げることができます。
①道具を活用する
②周辺環境に気を配る
③ステッカーやシンボルマークで配慮を促す
感覚過敏の人は、自分の意思で症状を抑えようとしても、否応なしに刺激を受容することが
主な悩みだと思いますので、極力刺激を抑えるための道具に頼るのが有効です。
また、刺激の発生源をコントロールするのは難しいため、あなたの方から刺激を過度に感じる場所を
避けるなど、周辺環境を意識することも重要です。
その他、感覚過敏を示すステッカーを身に付けて、周囲の人に配慮をお願いするのもよいでしょう。
この3点を念頭に置きながら、症状別に以下の対処法を実践してみてください。
①聴覚過敏の人ができる対処法
聴覚過敏の人ができる対処法として、以下のものがあります。
・イヤーマフやノイズキャンセリング付きのイヤホンを使う
・話に集中したいときは静かな室内を選ぶ
・背後から話しかけたり、大声を出さないように周りの人に頼む
・仕事場のデスクをうるさくない場所にしてもらう
・映像資料を見ていて疲れたら、音声を消して字幕に切り替える
上記の対処法の中でも、特にイヤホンやヘッドホンなどを状況に応じて使い分けている方が多いようです。
最近では、遮音率を調節できるノイズキャンセリング機能付きの機種もありますので、
その日の体調や状況に合わせて調整するとよいでしょう。また、音は伝達スピードが速いため、
道具などで対策できていないときには、不意に刺激となって届くことが少なくありません。
特に対人関係において、相手が聴覚過敏のことを知らない場合には、悪気がないことがわかっていても
不快に感じられることがあります。
そのため、日頃から過敏症のことを伝えて理解・配慮してもらうように努めましょう。
②視覚過敏の人ができる対処法
視覚過敏の人ができる対処法として、以下のものがあります。
・ブルーライトカットの眼鏡やサングラスを携帯する
・屋外に出るときは、つばの広い帽子をかぶる
・室内照明やPC画面の明るさを暗めに設定する
・職場では蛍光灯などの明かりが少ない席に配置してもらう
視覚過敏の方が特に注意したいのは、晴れた日などに屋内から屋外に出るときです。
過敏症の無い方でも、人によっては瞳孔による光量の調節がうまくできず、眩しさを感じるものですが、
視覚過敏の場合はこうした刺激が刺すような痛みとして感じられるかと思います。
また、日陰や暗いところを通行していても、車のボディに反射した光が目に入るなど、
刺激が入ってくる可能性はいたるところに潜んでいます。
それらを防ぐために、外に出る前に眼鏡やサングラスを掛けるよう意識しましょう。
③触覚過敏の人ができる対処法
触覚過敏の人ができる対処法には、以下のようなものがあります。
・服の素材を見て化学繊維の服などを避けるようにする
・身体に触れる必要があるときは一声掛けてもらう
・念のために手袋を持ち歩く
触覚過敏の方の中には、化学繊維などにアレルギーを持つことが一因になっている方もいますので、
服を選ぶときには素材を見るように心掛けましょう。
服のタグなどが肌に刺さるように感じられるため、あらかじめ切って均すといった工夫をしている人もいます。
また、大人になれば確認を取らずにボディタッチされることも少ないかと思いますが、もし身体に触れる
用があるときには前もって知らせてもらうなど、周囲の助力を仰ぐことも大切です。
④嗅覚過敏の人ができる対処法
嗅覚過敏の人ができる対処法として、以下のものが挙げられます。
・マスクを携帯する
・アロマオイルなど自分が落ちつける香りを持ち歩く
マスクは特に、人混みの中へ行かなくてはならないときなどに持っていくとよいでしょう。
また、不快な匂いを嗅いでしまったときのために、自分の気に入ったアロマオイルなどを少量
ハンカチに取って、気分を落ちつける方もいるようです。
⑤味覚過敏の人ができる対処法
味覚過敏の人ができる対処法には、以下のものがあります。
・苦手な食べ物は無理して食べない
・できるだけ薄味のものを注文する
・水やガムなどの口直しできるものを携帯する
味覚過敏の方は、少しでも苦手だと思うものがあったら、無理に食べないのがよいかもしれません。
無理をして、食後になっても気分が戻らず、吐き気を催すようなことがないようにしましょう。
料理店で注文する際にも、できるだけ薄味のものを頼むと安心できるはずです。
また、調子が戻らないときのために、すぐにお口直しができる飲食物を持ち歩いておくことをオススメします。
感覚過敏の人が仕事の場で意識したいこと
最後に、感覚過敏の人の方が悩みやすい「仕事の場」で意識したいことをお伝えします。
感覚過敏をお持ちの方は、まずは一人で悩みを抱え込まずに、周囲の人に相談するようにしてください。
ここで言う「周囲の人」とは、特に職場の同僚や上司のことです。
感覚過敏はあなた自身の努力でカバーしようとしても限界がありますので、周りの人の理解を得て
配慮を得ることが大切になります。
感覚過敏が単に苦痛を引き起こすだけでなく、仕事のパフォーマンスにも悪影響を及ぼすということを
伝えれば、お勤め先の方で何らかの対策を講じてもらえる可能性が高いです。
もし理解が得られないようであれば(または同僚・上司への相談と合わせて)、お勤め先の「産業医」に
相談するのもひとつの手段です。
感覚過敏でお困りの方は、同僚や上司といった周囲の人や産業医、支援機関など、「周囲を適切に頼る」
ことを意識してみてください。
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